ファントムメダカとは
ファントムメダカは現在知られているメダカの品種の中でも作出されてから日も浅い最新クラスの品種となります。
そのため詳しい作出者も分からず、見た目も「怪人、亡霊」の名前に相応しい程の妖しい雰囲気を纏っています。
そんな妖しげな魅力を持つメダカ「ファントム」をご紹介させていただきます。
ファントムメダカの特徴
ファントムは「黒揚羽」や「オロチ」が代表品種である黒系メダカの新しい品種です。
腹側のほんの一部の銀色を除き、全身が格式高いマットな黒色に染まる他、各ヒレの伸び方が「天女の舞(松井ヒレ長)」や「スワロー」とも表現が全く違う事も特徴に挙げられます。
そのヒレの表現は大きく長く伸びるだけでなく、途中で枝分かれしたかのように裂けるため、熱帯魚のベタやグッピー等の「クラウンテール」や「コームテール」「メラー」を思わせる独特の表現であるため、ヒレ長系メダカに革命を起こす品種としても注目が集まっています。
ファントムが生まれる確率
まだまだ一般的に浸透している品種ではないという所から固定率も低く、ファントム同士を掛け合わせてもしっかりと特徴を受け継いだ稚魚が生まれるとは限らないと思われます。
しかし、ファントム同士であれば数が少なくてもファントムの稚魚は生まれるため、あまり悲観せず大切に育てあげましょう。
ファントムの飼育は難しい?
ファントムの飼育は情報が少ないですが、今までご紹介してきたメダカ達と同じように飼育が可能です。
しかし、従来の黒系メダカと比較して色が褪せにくくなっているとは言え、黒系メダカである事に変わりはないので飼育容器には黒いトロ舟やメダカ鉢等が適しています。
また、特徴的なヒレが溶けてしまったり擦れてしまわないように水深を深めにし、水質の急変や悪化を防ぐために飼育容器の底にメダカ用のソイルを敷く等して対策をしましょう。
ファントムの固定率
市場に出ている数が少ない事からファントムの固定率はまだ低いと考えられます。
ファントムは「オロチ」と「ブラックキング」を掛け合わせて生まれた品種であるため、固定率が低いのであれば、生まれた稚魚もファントムの特徴をしっかり受け継いだ個体は少なく、元になった2品種のどちらかの特徴を強く引き継いだ個体の方が多いと思われます。
繁殖を狙う際はなかなか思い通りに殖えにくい種類ですが、稚魚が成長し、特徴的なヒレの形状や黒さが増していく貴重な様子を楽しめるため挑戦する価値は高いです。
まとめ
今回は謎に包まれた黒いドレスの貴婦人・ファントムについてご紹介させていただきました。
あまりにもペット市場に出回らない品種のため、名前と僅かな写真しか知られていない、まさに謎めいたメダカです。熱心なマニアであればその存在は知られているようですが、飼育情報も少ない孤高の品種と言えます。
しかし、そのゴシックな美しさと深い黒は飼育者の心を惹き付けて離さない「魔力」のような物を感じます。
有名品種や派手な品種では満足できない方は、是非この漆黒の貴婦人をご自宅に迎え入れ、誰も味わった事のない特別な夜会をお楽しみください。その気高い姿と華麗な舞踏でその心を満たさしてくれる事間違いなしです。