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「五式メダカ」とは
五式メダカ！うまく撮れませんでしたが、やはり透明鱗系統は1歳過ぎた頃が深みが出て美しい。非透明鱗三色より透明鱗三色が好きだったりもします pic.twitter.com/0TMZIWIvFO
— アクアラボ平安&平安めだか (@heianmeda) May 17, 2019
メダカ専門店「しいらメダカ」様が「黒に赤」の発色をコンセプトに交配、改良を重ねて作出した品種です。
名前の由来は、まだ名前も付いていなかった頃にこのメダカを見たお客様が「錦鯉の五式のよう」とその姿を表現した事がキッカケで名付けられました。
しいらメダカ様の元々の目標は「黒蜂」という品種のヒレを赤くする事であり、五式メダカはそこからぶれずに改良を続けて誕生した品種である事でも知られています。
五式メダカの特徴
黒い体色とヒレの赤みを追求した「typeB」と、黒い体色とヒレの赤みに加えて頭部にも赤い発色が見られる「typeR」の2typeがあります。
どちらも体全体に黒い発色が見られ、各ヒレは赤みがかったオレンジ色に染まります。このヒレの発色には黒い発色がカスリのように入る事があり、繁殖に用いる個体を選ぶ際のポイントになります。
typeRの場合は頭部にもこのオレンジ色の発色が見られるため、typeBより明るく可愛らしい印象です。このメリハリのある体色は上見、横見でも楽しむ事ができます。
また、五式メダカは「透明鱗」であるため、エラの赤みも黒い体色に良く映えます。保護色機能は殆ど機能していないため、白い飼育容器や水槽で飼育しても色が褪せず、美しい姿を楽しむ事ができるのも五式メダカの魅力です。
五式メダカが生まれる確率
五式メダカ同士のペアであれば、ほぼ確実に五式メダカが生まれます。
しかし、片親が他品種のmixだったりすると生まれてきた稚魚の五式メダカとしての特徴が薄れてしまう事もあるため、ショップでしっかりとした血統を購入すると安心して繁殖に臨めます。
五式メダカの飼育は難しい？
五式メダカは普通のメダカと同じように飼育でき、飼育難易度も他の品種と比べて低い傾向があります。
しかし、稚魚の場合はtypeB、typeRどちらも黒い容器で飼育した方が成魚になった時に五式メダカの特徴である黒い体色が強くなると言われています。
特にtypeRは稚魚時に影響を受けやすいため、稚魚や若魚を購入した方は成魚サイズに育つまでは黒い飼育容器で飼育する事をオススメします。
五式メダカの固定率
作出されてから数年が経ち、その固定率は50%以上であると言われています。
また、五式メダカのtypeB同士を掛け合わせた時に生まれた稚魚は黒9:赤1の割合だった方もいるため、五式同士の交配であっても確実にtypeが固定されている訳ではないようです。
五式メダカとの付き合い方
マットな感じの黒い体色に濃いオレンジ色のヒレが渋さを演出する品種・五式メダカですが、その付き合い方のちょっとした情報をご紹介させていただきます。
黒が薄い？実はまだ本気じゃないだけ
せっかく購入した五式メダカの黒い体色が薄くて幻滅しそうになる方もいるかも知れませんが、五式メダカは本来の発色を出すまでに最低でも半年かかると言われています。
かなりスロースターターな品種なので、本気の発色を見るためにも気長にお世話をしていきましょう。
透明鱗じゃない稚魚が生まれた！
五式同士の交配で生まれた稚魚の中に「非透明鱗」の稚魚がいる事があります。この稚魚は確かに五式メダカの血統ではあるのですが、作出者であるしいらメダカ様は「五式」として販売しないと語っています。
これらの非透明鱗は「五式系兄弟魚」「五式系非透明鱗」としているそうです。しかし、透明鱗にはない美しさがあるため、こちらも大切にお世話をしてあげましょう。将来的にとてつもない美メダカに育つ可能性があります。
どんな稚魚が期待大？
メダカの累代飼育は楽しいですが、どうしても悩んでしまうのが種親候補です。
五式メダカの場合は体全体に黒い発色が強く見られるのが良い個体とされていますが、横見をした時に腹側にもしっかりと黒い発色が現れている個体は特に期待大です。
また、ヒレの中に黒い色彩が見られる個体も良いとされているので累代飼育の際は是非参考にしてみてください。
まとめ
今回は2つの色彩表現がある品種・五式メダカについてご紹介させていただきました。
オレンジ色のヒレが全身の黒い体色を際立たせるtypeBか、黒い体色に映えるオレンジ色のヒレと頭部の色彩が目を惹くtypeRか好みが分かれるところですが、それぞれが異なる魅力を持っている事には違いありません。
飼育難易度も低めで稚魚〜若魚の間は黒い飼育容器が必要ですが、しっかり育って発色もしている個体であれば水槽に入れて横見を楽しむ事もできます。
本気の発色を見せるまで少々時間がかかりますが、大切にお世話をしてあげれば、渋かっこよさと美しさを兼ね備えた美メダカに変貌を遂げるのも五式メダカならではと思います。
高級メダカに手が出せなかった方も、是非ご自宅に五式メダカを迎え入れてみてください。本気の発色まで少し時間がかかりますが、そんなのんびり屋な彼らが可愛く見えてくるはずです。
そしてバリバリの発色を見た時、「今までの体色はなんだったんだ！？」という驚きとギャップでさらに五式メダカの虜になる事でしょう。皆様のメダカライフがより充実しますよう、私も心からお祈りいたします。
