赤斑病は、「エロモナス菌」という細菌がもたらす病気ですが、「エロモナス菌って何?」と思われる方も多いでしょう。
この「エロモナス菌」は非常に厄介な菌なのです。
赤斑病の症状としては、発病の初期段階は、体表やヒレが粘液の分泌で白くなり、それから皮下出血が現れます。
体表に血が滲んだように見える、赤い斑(皮下出血)が現れますが、この赤い斑を発見した時は、もう病態が少し進行した状態です。
大半の方が、この段階で病気に気付かれていると思います。
重症の場合、この赤い斑が大きくなったり、斑の数が増えたり、鱗が剥がれたり、腹部や肛門が腫れたりして、他の病気を併発しやすい状態なのです。
急性の場合は発病後1〜2週間くらいで死に至り、慢性の場合は、症状が出てから食欲がなくなり、動きもしなくなって死に至ります。
赤い斑がポツポツ出てるのを発見したら、さぞかしビックリすることでしょう。
- 「何とか治してあげたい」
- 「でも、どうすればいいの?」
と、一番最初はオロオロしてしまうかもしれません。
赤斑病とは「運動性エロモナス症」とも呼ばれています。
今回は、白点病と並んで、割と頻発度合いの高い、この赤斑病の原因や治し方、気を付けることなど、 深掘りしていきます。
赤斑病の原因
この投稿をInstagramで見る
画像は金魚ですが、メダカもこう言った感じで赤斑が出ます。
赤斑病の原因は「エロモナス菌」です。
淡水であればどこにでも存在している細菌ですが、飼育水がきれいに保てば頻発する病気ではありません。
代表的なのは、「鞭毛(べんもう)を持って運動するエロモナス菌」と、「鞭毛がなく運動しないエロモナス菌」が知られています。
赤斑病は、前者の「鞭毛を持って運動するエロモナス菌」が原因です。
この運動型エロモナスは、25〜30℃の比較的高めの水温で繁殖します。
通常は、それほど強い病原性はないのですが、メダカに外傷があったり、体力が低下している等の、悪い条件があると感染して発症するのです。
メダカがストレスを受けて、免疫力が低下しない環境作りが大切で、「これだ!」という原因の特定は難しいかと思いますが、日頃の飼育で思い当たる点を探してみましょう。
- 濾過装置に付着した餌の食べ残し
- メダカのフンなどの腐敗
- 細菌が繁殖して飼育水が不潔な状態
- 急激な水温の変化
- 過密飼育などによる酸素不足
など、メダカにとってのストレスはいくつもあります。
水温が安定しない季節の変わり目は要注意です。
また、他のメダカから追尾されたり、寄生虫等により体力が低下している時にもこの病気の発症の可能性が高まります。
この「運動性エロモナス菌」は、ポップアイ、松かさ病の原因にもなるので、赤斑病が悪化すると合併症となることがあるので要注意です。
赤斑病の治し方
初期症状であれば、塩水浴で治る場合もあります。
この病気は感染率が高いのでメダカは隔離し、隔離したところで塩分濃度0.5%で塩水浴させます。
塩水浴の期間は約一週間で様子観察し、塩水浴で治らない場合は、薬剤を使った薬浴をさせましょう。
赤斑病は細菌性の病気ですので、細菌に効果をもたらす薬剤を選んで使用してください。
使う薬剤は、一般的に観パラD、もしくはグリーンFゴールドです。
必ず、用法・用量を守り、正しく使用して下さい。
薬浴期間は一週間前後で、必ず様子観察してみましょう。
食欲があるなら、パラザン油剤やテラマイシンを餌に混ぜての経口投与も効果的ですが、メダカの体重に合わせた容量で餌を作りましょう。
細菌性の病気ですので薬浴期間を長期にしなくても、重度でなければ治る可能性が高いです。
一週間前後、薬浴させて治らない場合は、まず寄生虫を疑いましょう。
寄生虫の疑いがなければ薬の種類をグリーンFゴールドなどのフラン材から、観パラDなどのオキソリン酸系の薬に変えて薬浴させてみて下さい。
体表の赤い斑が薄くなってきたり、なくなってきたら、塩水浴や淡水に切り替えても良いでしょう。
よく、海水水槽で使われている殺菌灯を使うのも効果的です。
飼育容器(水槽)などの対処
赤斑病のメダカがいた時点で、水槽内の水が悪化していると思われます。
濾過フィルターなどをまず確認してください。
原因が何なのか?早い段階で特定する必要があります。
水槽などの飼育容器は早急なメンテナンスをして下さい。
濾過フィルターの点検・清掃、フィルター内の消耗部品は全部新しい物に交換し、ろ材なども強力に洗浄して下さい。
まとめ
メダカも人間同様に、ストレスがたまると免疫力が低下します。
ストレスがかからないように環境を整えてあげましょう。
エロモナス菌は、水換えをしないとどんどん繁殖しますので、エロモナス菌に感染させないためにも定期的に水換えをしてあげましょう。
毎日の観察はどんな病気にしても、必要不可欠なのです。
今回は「赤斑病」について深掘りしてみました。
可愛いメダカに赤い斑ができないように、飼育者の皆様も、毎日の観察・メンテナンスを怠らないようにして下さい。