水槽の水面にメダカが浮かび上がって、口をパクパクとさせている光景を目にしたことがありませんか?
そんなときは注意が必要です。
決してメダカが餌をねだっているというわけではありません。
このとき、水槽内は酸素が不足している状態です。
魚はエラ呼吸をする生物ですが、エラでは呼吸できない非常事態のために口から酸素を取り込もうとしています。
この行動を鼻上げといいますが、そのまま放置してしまうとメダカは呼吸できずに死んでしまいます。
そうなっては取り返しがつきませんので、今回は水槽の酸欠対策について紹介します。
メダカの酸欠対策
メダカの酸欠対策には以下のものがあります。
- 水槽の大きさと飼育数の調整
- エアレーション
- 水草を入れる
- 水量を増やす
- 日陰を作る
1つずつ詳しく解説します。
水槽の大きさと飼育数の調整
メダカが鼻上げしている場合は、すぐに対策をしましょう。
もしもメダカを過密状態で飼育している場合は、水槽を大きいものに交換してください。
交換できないなら、メダカの一部を別の容器に移して水槽内にいるメダカの数を減らしましょう。
メダカの数が減ると、それにともなって水槽内の酸素消費量も減少し酸欠状態を改善できます。
エアレーション
エアレーションを使用するのもいい方法です。
水槽内の飼育密度が高い、水槽内のレイアウトを複雑にしているといった場合にも有効です。
人工的に酸素を送り込むことで酸欠を解消できます。
ただし、水流がメダカの体力を奪ってしまうため、水槽内に弱っている個体や稚魚がいる場合は使用しないようにしてください。
水流があるとえさも上手に食べられなくなります。
エアレーションを成魚のいる水槽に使う場合でも、水流は弱めにしてください。
本来メダカは水流の少ない止水域に生息している魚で、強い流れを好みません。
水草を入れる
水草を水槽に入れて、酸欠状態を改善することもできます。
植物は二酸化炭素を取り込んで光合成を行い酸素を排出するため、水草が水槽内にあるだけで酸欠の対策になります。
水草があると水槽の見た目もよくなるでしょう。
水量を増やす
水槽の水を増やして、酸欠を防止する方法もあります。
メダカに1匹に対しての水量が増えると、消費できる酸素の量も多くなります。
メダカ1匹に水1リットルというのが、飼育するときの基本です。
できるなら、水面面積が広く取られている比較的大きな水槽にメダカを入れ替えてください。
そもそも、水槽は酸欠になりやすい環境にあると言えます。
水の容量に対して空気に触れる面積が少ないために、酸素の溶け込む量が少なくなります。
日陰を作る
水温が高いと水槽内が酸欠状態になることもあります。
夏場など水温が高くなると、水中に溶け込む酸素の量が少なくなってしまいます。
こんなときは、すだれなどの日よけを使って日陰を作ってあげるといいでしょう。
日陰を作って直射日光が当たらないようにすると、水温を下げることができます。
水槽を他の場所に移せるなら、風通しのよい日陰に水槽を移してあげると水温を下げることができるでしょう。
室内設置の水槽でも、窓際では日が当たって水温が上昇します。
室内環境下でも、日の当たらない場所に移動させる、カーテンで日を遮ってあげるなど水温が上昇しないように対策してください。
メダカは日に当たっていると元気に育ちますが、水温の上昇をおさえる工夫も必要です。
間違った酸欠対策
酸欠対策をすると水槽内の酸素を増やせるのですが、気をつけなければいけないこともあります。
水草を水槽に入れる方法を上述しましたが、水草の入れすぎはよくありません。
日光の当たっているときは水草も光合成をおこないますが、夜になると水槽内の酸素を消費し二酸化炭素の排出します。
この結果、水草が多いと酸素の消費量が増えてしまい水槽内の酸素量が減り、メダカが酸欠になります。
水槽の水をグリーンウォーターにしている方も気をつけてください。
グリーンウォーターには、植物プランクトンやミドリムシなどが生息しています。
水草の場合と同じように、夜になって、日光が当たらないときは光合成は行わず、水槽内の酸素を消費して二酸化炭素を排出します。
対策としては、水草が多いならトリミングをして水槽内の水草の量を減らしましょう。
水槽の水をグリーンウォーターにしている方は、足し水や換水をしてグリーンウォーターの濃度を下げる、エアレーションで水を撹拌させるなどの対策をしてください。
まとめ
メダカの鼻上げを発見したら、すぐに酸欠対策をしてください。
夏場は水温が上がり、酸欠になりやすいため特に注意が必要です。
水槽内の酸素量を増やしてあげると、すぐにメダカは元気になります。
元気なメダカを見ていると、みなさんも元気をもらえるでしょう。