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天女の舞とは
評判良かったのでもう一枚。前回は品種を書いてなかった。ヒレ長「天女の舞」です。#メダカ #アクアリウム pic.twitter.com/Sh3yy8TmOB
— たくおくん (@takuokun1) June 21, 2020
熊本県にある「松井養魚場」で誕生した、各ヒレが長く伸びる特徴を持つ「松井ヒレ長メダカ」をベースに交配、固定化を進められた品種です。
2015年、アクアリウム雑誌「アクアライフ」の7月号に掲載され、今までのメダカの形質に無い、長いヒレをたなびかせながら水中を舞う姿は見る者の心を奪い大きな話題となりました。
アクアライフに掲載された年の8月には作出チームである「チーム火の国」の方々によって販売される事となり、品種改良に新しい風を巻き起こした立役者でもあります。
現在でも見た目や色彩の美しさから人気が高く、横見、上見も楽しめる品種として愛されている「メダカ界の天女様」です。
天女の舞の特徴
きれいに撮れた!
天女の舞ブルースターダスト pic.twitter.com/bHWxYCsA3x— いわさん (@iwasansano) October 17, 2020
このメダカの特徴は何と言っても長くたなびく各ヒレです。
尾ビレ、尻ビレ、腹ビレ、背ビレ、胸ビレが天女の舞の元になった松井ヒレ長メダカと比べて均等に伸びるという特徴があります。これには多少個体差があるものの、それでも均等に長く伸びてくれます。
天女の舞にも色彩は様々
羽衣のように美しいヒレを持つ天女の舞ですが、その色彩は多岐に渡ります。
楊貴妃や紅帝のような強い朱色の体色を持つ個体だけでなく、ラメ幹之メダカの特徴を併せ持つ個体もいます。
中にはアルビノの個体もおり、透明感のある乳白色の体色に赤い目が神々しさを醸し出しています。
飼育の際には是非、お好みの羽衣をまとった天女様をお迎えしましょう。
天女の元も天女?
天女の舞の元になった松井ヒレ長メダカですが、こちらも天女の舞として販売される事があるようです。
一応天女の舞は松井ヒレ長メダカを品種改良した結果生まれた「新しいヒレ長メダカの品種」とされているため、厳密に言えば違うようです。
気になる方はメダカ専門店から購入すれば間違いない血統の天女の舞が手に入るのでオススメいたします。
天女の舞が生まれる確率
ペアリングした親魚が天女の舞同士であれば生まれる稚魚達は高確率で天女の舞になります。
しかし、中には先祖帰りして普通体型の個体や松井ヒレ長メダカが誕生する事もあります。
天女の舞の飼育は難しい?
天女の舞は普通のメダカと同じように飼育が可能ですが、キレイに飼うためにはいくつかの注意点があります。
それは、水質の悪化に気を付ける事と長いヒレのためにメダカにしては広めのスペースで飼育する事、そしてヒレを傷付けないためレイアウトに気を付ける事です。
水質が悪い状態で飼育すると病気になってしまうだけでなく、ヒレ腐れ病やハリ病にかかるとせっかくのヒレが溶けてしまったり、くっついたようになって泳ぎに支障が出てしまいます。
広いスペースで飼育するのも長く伸びるヒレを守るのに欠かせない要素です。広いスペース、つまり広い水槽や容器であれば水量の問題で水質の悪化を多少緩やかにする事ができます。
また、スペースが広ければそれだけヒレをたなびかせて泳ぐ事ができ、メダカも窮屈な思いをせずに済みます。
ヒレを傷付けないレイアウトについてですが、天女の舞はヒレの長さ故に何かしらのオブジェクトにヒレがぶつかるのを嫌がる傾向があります。また、強い水流も嫌がるため、緩やかな水流を心掛ける必要もあります。
このレイアウト時に特に陥りやすいのが採卵のためのアイテムで、卵を絡めやすいようにしっかり目のスポンジやウールマットのような材質をしている事もあります。
個体やペアにもよりますが、これらの材質を嫌って産卵しようとしなかったり卵を産み付けようとしない場合もあるため、ヒレがぶつかっても傷付けにくい柔らかな材質の産卵床やホテイアオイ等を利用する等の工夫をしましょう。
天女の舞の固定率
紅白 天女の舞
紅白のヒレ長 表現。
うちの子で一番伸びてる
天女さんです。 pic.twitter.com/tKtQk5YtLv— 癒乃 さえり (@Samiryua) June 2, 2019
天女の舞の固定率は80%以上と高い説もあり、初心者の方でも比較的安心して繁殖や累代飼育を楽しむ事ができます。
ご自宅で天女の舞を繁殖させ、成長と共にヒレが伸びていく様子を観察するのも楽しそうです。
天女の舞のプチ情報について
天女の舞から生まれたのは「鳳」!?
天女の舞の特徴である長いヒレや色彩の特徴に、より磨きをかけるべく品種改良されて生まれたメダカがいます。それが「天鳳」です。
こちらはヒカリ体型のメダカで、天女の舞よりも体高があり、ヒカリ体型の特徴によって背ビレ、尻ビレが長く大きく伸び、尾ビレはベタのように立派なダブルテールになっています。
水槽を隣り合わせて天女の舞と天翔る鳳凰の舞を眺めるというのも贅沢な楽しみ方だと思います。
「天衣無縫」
そもそも「天衣無縫」とはどんな意味なのか?辞典によると「天真爛漫な様」や「詩や文が自然で美しく完璧」という意味があります。
しかし、元々の成り立ちは「天女等の天に住まう存在が身に付けている衣服には縫い目や織り目が無く、元々その形で存在していたかのように自然で美しい」という事が由来です。
天女の舞メダカのヒレはまさにそれであり、その優雅にたなびくヒレは、天女達が身に付けている羽衣の如く艶やかで軽やかです。
まとめ
今回は妖艶に水中を舞う「天女の舞」についてご紹介させていただきました。
この品種は体色の幅が広く、青みがかかった個体や強い体外光をまとった個体もおり、かなりバリエーションに富んでいます。
また、広いスペースで飼育をする事で各ヒレが金魚の「土佐金」のようにフワリと広がり、その美しさを最大限に楽しむ事ができます。
変わった特徴のあるメダカが飼いたいと思っている方は是非、天女の舞をご自宅に迎え入れてみてください。
様々な羽衣をまとった小さな天女達が必ずやあなたの心を極楽に導いてくれる事でしょう。